https://news.nicovideo.jp/watch/nw9076427
かつての劇場版は、暴力的に「現実に帰れ」というメッセージを観客に叩きつけた。その衝撃を重く受け止めたうえで、私はアニメを見るのを止めなかった。むしろ、その経験によって、アニメという表現形式に対する執着を強く抱えたといっても過言ではない。そのパラドックスに対して明確な答えを出さないまま、現在まで生きてきた。オタクであることを止めなくとも、現実を生きられるはず。それを立証するために、ずっと必死だった。
新劇場版のメッセージは、「現実を生きよう」だと受け止めた。「帰れ」ではなく、「生きよう」。他人と向き合う痛みを引き受けて、ゆっくりとでも、自分の世界を広げること。アニメファンであること、オタクであることが問題なのではない。問題は、アニメであれ、なんであれ、何かに強く依存することによって、他者との関係をきちんと取り結べないことなのだ、と。