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営業用の「100」から「800」のなかで唯一ない「600」
およそ半世紀前の1964(昭和39)年に開業した東海道新幹線、団子っ鼻で親しまれたその初代営業用車両の形式は0系でした。そして、のちに登場した車両には、100系(東海道・山陽新幹線)、200系(おもに東北・上越新幹線)、300系(東海道・山陽新幹線)というように形式番号が振られていきました。
このような3桁の形式番号をもつ新幹線車両は、次の通りです。おもな使用路線と運用期間も記載しています。
・100系:東海道・山陽新幹線、1985(昭和60)年から2012(平成24)年まで
・200系:東北・上越新幹線、1982(昭和57)年から2013(平成25)年まで
・300系:東海道・山陽新幹線、1992(平成4)年から2012(平成24)年まで
・400系:東北・山形新幹線、1992(平成4)年から2010(平成22)年まで
・500系:東海道・山陽新幹線、1995(平成7)年から
・700系:東海道・山陽新幹線、1999(平成11)年から
・800系:九州新幹線、2004(平成16)年から
900番台は、線路の状況を検査するための923形新幹線電気軌道総合試験車、いわゆる「ドクターイエロー」や、さまざまな高速試験車など、事業用車両に用いられています。
ここで唯一、600系だけ存在しないのはなぜでしょうか。
「600系」になる予定だった車両がある
じつは600系は、東北・上越新幹線で1994(平成6)年から2012(平成24)まで使用されたオール2階建て車両の「Max」ことE1系に付与される予定でした。
JR東日本の元会長である山之内秀一郎さんの著書『東北・上越新幹線』(JTBパブリッシング)によると、E1系は当初、国鉄時代の付番を踏襲して「600系」と仮称されていましたが、国鉄分割民営化によって「会社が分かれた以上、JR東日本は独自の形式名をつけることに決め、初めて『E1系』という呼び名をつけることになった」といいます。
以後、JR東日本の新幹線車両は東北・上越・北陸新幹線のE2系、秋田・山形新幹線のE3系、E1系に次ぐオール2階建て車両「Max」のE4系というように、「E〇系」という形式がつけられていきました。
そして近年は、JR東日本のE5系をベースとするJR北海道のH5系(東北・北海道新幹線)や、JR東日本と共同開発したJR西日本のW7系(北陸新幹線)など、JR東日本と共同で運行する他社の新幹線車両でも、これにならった形式が登場しています。
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