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JR京都線や琵琶湖線 雪で乗客乗せたまま動けず 体調不良も
2023年1月25日 5時48分
大雪の影響で、JR京都線と琵琶湖線は一時、15本の電車が乗客を乗せたまま駅の間で動けない状態になり、体調不良を訴える人も出ました。JR西日本は乗客を線路に降ろして移動させるといった対応を進めています。
JR西日本によりますと、大雪の影響で京都線は、京都府向日市にある向日町駅付近の線路でポイントが切り替わらなくなり、24日午後8時ごろから京都・大阪間の全線で運転を見合わせています。
京都と滋賀を結ぶ琵琶湖線も雪の影響で一部区間の運転を見合わせていて、いずれも運転再開のめどは立っていません。
この影響で京都線と琵琶湖線では、午前2時の時点であわせて15本の電車が駅の間で乗客を乗せたまま動けない状態になり、少なくとも3本の電車で体調不良を訴える人が出たということです。
このためJRは乗客を線路に降ろして駅まで歩いて移動してもらう対応をとっていて、現在、状況は解消しつつあるということです。
ただ、帰宅する手段がないため駅に停車する電車の中で休んでいる人もいます。
また、兵庫県内を走る山陽線でも電車が動けなくなり、乗客を線路に降ろしたということです。
これまでに13人が体調不良で救急搬送 いずれも意識はあり
JR京都線などの沿線にある消防によりますと京都府内では各地で列車が長時間、動けなくなり、閉じ込められた影響で、これまでにあわせて13人が体調不良を訴えて救急搬送されたということです。
このうち京都市山科区では琵琶湖線の列車が長時間にわたって線路上で動けなくなり、京都市消防局によりますと25日午前4時半までに体調不良を訴えた9人が救急搬送されました。
また、24日夜11時ごろには山科駅近くで止まっていた特急サンダーバードから1人、25日午前0時すぎには京都駅から1人が搬送されたほか、乙訓消防組合消防本部によりますと向日市の向日町駅からは24日夜男女2人が救急搬送されたということです。
いずれの人も搬送される際に意識はあったということです。
野洲市 駅近くの文化小劇場を待機場所として提供
JR京都線と琵琶湖線のトラブルで、帰宅できなくなっている人が多数出ていることを受けて、滋賀県野洲市は、JR野洲駅のすぐ近くにある「野洲文化小劇場」を待機場所として提供しています。
市によりますと、24日夜8時半ごろにJRから「駅に500人ほどがいるので協力してほしい」と要請があったということで、一時、200人以上が施設で待機していたということです。
午前2時すぎの時点で100人余りが待機していて、市は毛布や水、パンなどを提供しているということです。
守山市では41人が一時待機所に
JR京都線と琵琶湖線のトラブルで、帰宅できなくなっている人が多数出ていることを受け、滋賀県守山市は、24日午後11時半からJR守山駅から500メートルほどの場所にある「あまが池プラザ」を一時待機所として開設しています。
市によりますと、午前3時半現在、あわせて41人が利用しているということです。
JR山科駅では連絡通路を開放
京都市によりますと、JR西日本から琵琶湖線と湖西線が走る京都市山科区のJR山科駅の構内には1300人ほどがいて受け入れ先を求める連絡があったということです。
このため市は、市の施設で駅のほど近くにある生涯学習総合センター「アスニー山科」と、JR山科駅と市営地下鉄山科駅の連絡通路を開放しました。
「アスニー山科」には受け入れ可能な人数を超える人が集まったため、入りきらない人を連絡通路に案内しているということです。
また市は、1500枚のアルミ製のブランケットを届けることにしているということです。
西大路駅で降ろされた乗客 3時間半車内から出られず
24日午後10時ごろにJR京都線の新快速電車の中で乗客が撮影した映像です。シートに座っている乗客のほか、立ってスマートフォンなどを操作している乗客の姿が写っています。撮影した60代の男性によりますと電車は大阪から京都方面に向かっていたところ午後7時ごろに京都市南区の西大路駅の手前で停車し、およそ3時間半車内から出られない状況だったということです。
車内では「ポイント故障のため前の列車がつかえてしまって、これ以上進むことができない」とアナウンスがあり、乗客は疲れた様子だったということです。その後、電車は動き出し、西大路駅に到着したところですべての乗客に電車から降りるよう指示があったということです。
男性は「列車から長時間降りられず途方に暮れていました。滋賀県に住んでいるのできょう中に帰宅できるよう京都駅に急いで歩いて向かっています。雪の影響も心配ですが、私鉄などを利用して帰宅したいと思います」と話していました。
帰宅できなくなると戸惑う乗客も
JR桂川駅では、雪の影響で一時とまっていた電車に乗っていた人たちからは、電車の遅れで帰宅ができないなど戸惑う声が聞かれました。
一時、動けなくなっていた電車に乗っていた28歳の男性は「出張のために電車に乗っていて、大阪駅から桂川駅まで断続的に進んでいました。1時間半くらい足止めとなってしまい、その後、電車から降りるように言われたので困っています」と話していました。
また京都市に住む20代の女性は「運転が再開するのをずっと待っていました。もう疲れてしまいました。今夜は近くに住んでいる友人の家に泊めてもらおうと思います」と話していました。
SNS「電車内でもう6時間立ってます」
JR京都線などで複数の電車が動けなくなっていることを受け、SNS上には乗客とみられる人たちからの投稿が相次いでいます。
例えば「電車内でもう6時間立ってます」「19時ごろ停止。2時ごろ線路へ降車」という投稿や「寒い車内で体力が失われていくこんなん急病者出てもおかしくないよ」「過呼吸が何人も出ていてヤバイ」といった投稿が見られます。
JR京都駅 タクシー乗り場 数十人以上が長い列
京都市観光協会はJR京都駅の八条口にあるタクシー乗り場の様子をYoutubeでリアルタイムで配信しています。午前3時前の映像では、正確な人数はわかりませんが、大きな荷物を抱えた人など数十人以上が長い列を作ってタクシーを待っている様子が確認できます。
しかし、タクシーが来るのは10分から15分に1台程度で、なかなか人は減っていません。
この時間帯の京都市は、マイナス3℃前後の厳しい冷え込みとなっていて、なかには列を離れる人や、体を動かしている人の姿も確認できます。