カミーユが今まで描いてきたニュータイプの中で最高のニュータイプ能力者であると述べた理由にほんの短い期間ではありましたが、カミーユに全能者を目指させようと思ったことがありました。だけど、現代の我々と大きく変わっていない近未来の人間に、全能を目指すだけのキャパシティーはありません。結果としてカミーユの精神は崩壊しました。カミーユ自身の意思で全能者を目指したわけでありません。少なくともそのような描写は劇中ではしていないはずです。ただ明らかに戦闘者としての能力が傑出していたために本人の人間的な限界を超えたものを負わされ続けて人間としての成長過程も、意思を強靭にするための時間的猶予も与えられず全能者への道以外の選択肢が閉ざされていきます。またまず全能型ニュータイプなど絶対に生れないと言っておきます。
反抗心あふれた、怒れる青年だった。ジェリドに拳を喰らわせ、クワトロ(シャア)にビンタで「修正」を加えるなど直情的な行動が目立った。感受性が強く最高のニュータイプとして覚醒をしていくが、その能力ゆえに多くの人々の思いを受け止め、TV版では精神的に限界を迎えることに。カミーユはいわゆる青年の反抗期から、急ぎ足で大人になりすぎちゃったのかもしれない。ただ、子供が大人になる過程のステップだとわかっていても、かみつかれる大人はたまったものではない。