富山地方鉄道は、赤字が続いている鉄道線のうち本線の滑川ー新魚津間と立山線の岩峅寺ー立山間について、沿線自治体から支援がなければ今年秋に廃線を判断する方針を示しました。
中田邦彦社長がKNBの単独インタビューに答えたもので、沿線自治体には廃線の時期を来年11月末と示しています。
「このまま現状をひきずるつもりはもうない」 支援なければ廃線を決断
富山地方鉄道 中田社長
「秋までに(支援の)結論出なかったら廃線の可能性が極めて高いっていう。そりゃそうですよね、このまま現状をひきずるつもりはもう(ない)」「実際、仮になくなるとしても岩峅寺~立山間と滑川~新魚津間ぐらいかな。このままで(令和)8年度はいきません(営業しません)よ」

地鉄のトップ、中田邦彦社長が明かした「一部区間廃止やむを得ず」の方針。
本線の滑川ー新魚津間と立山線の岩峅寺ー立山間について、今年秋までに沿線自治体からの支援方針が固まらなければ廃線を決断するという考えです。
主な要因としてあげたのは、コロナ禍以降、利用客が回復していないこと、運行費の高騰、老朽化が進む線路の保守点検の費用などです。
コロナ禍前までは年間1億円ほどだった赤字が…。
富山地方鉄道 中田社長
「1日200万円赤字出してます、10日で2000万。(年間)7億円の赤字、こっちが抱えてるんですよ。金額が一気に1億の赤字が7億になるっていうのはとても耐えられるようなもんじゃない」「はっきり申し上げて線路を維持するための努力だけをしてきた。それをずっとやってきたんです。それが耐えられるような金額じゃなくなったから、検討会とか そういう形で本当に必要なのなら負担をお願いしますよ」
今後の協議をする中での通告 沿線自治体には困惑も
地鉄は今月中旬、沿線自治体に対し、本線の滑川ー新魚津間と立山線の岩峅寺ー立山間について支援が得られない場合は廃線にせざるを得ないと意向を伝えました。
廃線の時期は来年11月末としています。
県や沿線自治体が鉄道線の今後について協議している中での通告です。
滑川市 水野市長
「正式には何も聞いていないのでコメントしようがない」
富山県 新田知事
「県としての両線の在り方について、分科会でオープンな場で持続可能で最適な地域交通サービスを目指した議論が早く進むように努めていきたい」
Q. 来年秋の廃線となると時間限られるーー
富山県 新田知事
「そのタイムリミットというか、時間軸については一方的に決められることでなくて、互いに合意していくものではないかと思っています」
この他の沿線自治体も、廃線は決定事項とは受け止めておらず、今後の対応を進めたいなどとしています。
存廃をめぐる議論のさなかに地鉄が示した廃線をめぐる方針。地鉄の鉄道線をめぐる対応は正念場を迎えています