遭難した先で遭遇したそのエリザ・ベックというハンターは僕の要求を全て満たした稀有な存在だった。
ソロで活動し、たった一人で流砂に飲まれて一切焦りを見せないその泰然とした態度。あまつさえ遭難先でお昼寝を始めてしまうマイペースさに、これまで会ったどの精霊人とも違う人当たりの良さ。
実力は未知数だが、きっと彼女ならば《嘆きの亡霊》のパーティにもうまく馴染めるに違いない。何より、こんな所で遭難している辺り、凄く共感があるし、彼女がパーティに入ったら僕がお昼寝していても目立たなくなるはずだ。こう、調和が取れている。
打算が含まれた僕の勧誘に、エリザはしばらく沈黙して首を傾げた。
「………………なんで?」
「チョコバーあげたじゃん。それに、いつでも抜けてもいいし、一人でハントするよりも楽しいよ? 何より、安全だ」
どうやらさすがに突然のパーティ勧誘は受け入れづらいところがあったらしい。特に、女性のハンターはそういう手段で狙われる事もあるらしいのでやむを得ないと言える。
エリザは僕があげたチョコバーをぼんやりと見下ろし、落ち着いた声で言う。
「…………探している…………物がある」
「一緒に探してあげるよ! 得意だから!」
何を探しているのかは知らないが、リィズ達ならばきっと見つけられるはずだ。適当極まりない事をハードボイルドに言う僕に、エリザはとても眠そうな眼差しを向けていた。
その後、エリザは別に遭難したわけではなく別ルートで宝物殿にたどり着いていたという驚愕の事実が判明したり、知る人ぞ知るハンターだという事がわかったり、何より卓越した危機察知能力を持っていてパーティに入るよりソロで動いた方がずっと安全である事がわかったり、色々あったが、全ていい思い出だ。
なんだかんだ、これまで脱退の話が出た事もないし、パーティにも馴染めているようだ。唯一の誤算だったのは彼女が入っても別に僕のサボりが目立たなくなったりはしなかった点だが、そこまで求めるのは贅沢というものだろう。
邊詳細姐,都係幾句講完
其實都冇講エリザ視覺係點,都係master話一齊搵野