
昔の居酒屋は1合(180ml)ずつお酒を提供するのがスタンダードでしたが、グラスが小さければ1合入りきりません。そんな時、グラスの下に小皿や升を置いてわざとこぼれるようにお酒を注いで量を合わせたのが、現代のもっきりスタイルの始まりと言われています。 この形が、次第にお店がどのくらい日本酒を注ぐかというパフォーマンスの一貫となりました。グラスから少しこぼれるように注ぐお店もあれば、こぼれた日本酒が受け皿に一杯になるほどなみなみと注ぐお店もあります。つまり、もっきりは「お酒を存分に楽しんでもらいたい」というお店からの「おもてなしの心」の表れでもあるのです。
「日本酒をたっぷり、そして楽しみながら飲みたい」というお客様の気持ちに寄り添った結果なのではないでしょうか。単に徳利で提供するよりもグラスから升にこぼれていく様を楽しめる。「今日は多めに注ぎました!」というようなコミュニケーションも生まれますよね。